球体関節人形・作り方メモ

 作り始めた頃に気付いた点をメモで残してあります。
 色んな作り方ページがありますけれど、何処にも書いてなくて尚かつ私が困った部分。
 文章がものすごいいっぱいなんですが、読むと何かしら解決の糸口が掴めるかも知れません。
 自分の勝手で使用した方法なので、全人に当てはまる訳では決してありません。ご注意を。

☆これから作る方に注意☆
・小物の衝動買いをしない
 人形に使えそうな小物を見付けても衝動買いしないで下さい。結局使えなくて無駄になったりします。
 人形が出来てイメージが固まったら買いに行って下さい。
 ただイベントや旅行などいつも行けない場所ですごく欲しい物を見付けた場合は、後悔しちゃうので買って下さい。
・眼球を買わない
 人形を作るなら眼球♪と思って買ってしまうと、作った時にサイズが合わなくて無駄になったりします。
 眼球はワンサイズ違うだけで全く印象が変わってしまいます。
 顔を作って目をちゃんと作りこんでからじゃないとぴったりの眼球が分かりません。
 特に高価なグラスアイやシリコンアイは絶対買っちゃ駄目です。
 (高いとは言え量産品の眼球の為に顔のサイズを変えたり果ては体のサイズまで調整するのは切ないものがあります)
 本格的に作る方にお薦めなのが、アクリルアイで使うサイズを揃えておくことです。
 (14〜20ミリまで揃えておけば普通に作る大きさの人形には間に合うと思います。
  最大で26ミリまでありました。16、18ミリ辺りは個人的に多用します)
 アクリルアイはドールショウとかドール関連イベントで1セット500円で売ってます。(ハンズのはもう少し高い)
 仮目に使うなら申し分ない品質ですし、アクリルアイでサイズを確かめてから高いアイを買うと失敗が無いです。
 参考までに、私が作る時に使う眼球の大きさは、50センチ人形で14ミリ、60センチで16〜18ミリってとこです。
 多くは自作しています。
・とりあえず一体完成させよう
 一体目は分からないことだらけです。一体目から完璧に作ろうとするといつまでたっても完成させられません。
 一体目は精一杯作って、とりあえず完成させましょう。
 そうすると二体目は驚くくらい上達していてビックリします(^-^)

・粘土
 粘土はどの粘土でも、袋から出した時によく練って使います。
 袋から出したままで使うと、粘土同士の結合が緩いのかスカスカした弱々しい仕上がりになります。
 結合を強めるつもりでよく捏ねましょう。捏ねると使いやすくなります。

 ラドールが初心者にはお薦めです。100センチ超の大きな人形を作るのでしたらウッドフォルモを混ぜて作るのも手です。
 ウッドフォルモを混ぜるととても丈夫な人形になります。ただ収縮率があり、ラドールと比べるとかなーり縮んでしまうので、
 ラドール:ウッドフォルモ=1:1とか2:1で作った方が良いです。その辺はお好みで。
 木の粘土を混ぜた粘土の特徴としては
 ・水をいくらでも含んでくれる。やわらかい
 ・乾いた時に丈夫になり、軽い
 ・丈夫ゆえに彫刻刀で彫りづらい。ラドールの比じゃない
 ・つまり磨くのも一苦労
 ・縮むので、よくひび割れる
 ・繊維が入っているので表面が荒い。これは後でクロスクレイ塗って磨くから心配無いが、
  あまり小さい人形の場合は細部が作れないことがあるので注意。
 ・粘土を混ぜたままほっとくとカビが生える
 ・乾燥は遅い。ラドールの比じゃない
 こんな感じです。
 石粉粘土はいまいち手触り固いな〜と思う方や、大きな人形を作られる方、作業が早い方にはお薦めします。
 しかし初心者には木の粘土、激しくお薦めしません
 上手い方が木の粘土使ってるからと言っても、それは造形に慣れてるからであって、
 粘土いじったことない人には石粉粘土の方が絶対良いです。
 木の粘土は物凄く固い為、彫刻刀で彫りづらい、磨きづらいという難点は初心者さんには大きな障害となります。
 石粉にある程度慣れた私ですら、木の粘土使うと生傷が絶えません…彫刻刀使うと手元が狂う狂う。
 石粉粘土はもろいって言われますけど、使ってるとそんなに気にならないです。
 石粉程度の柔らかさが、彫刻刀で彫ったり磨いたりするのに一番丁度良いです。
 自分に合った粘土を探すのも大事ですが、造形に慣れるためにも、最初はラドールだけで始めるのをお薦めします。

 あとファンドという粘土を固定ポーズで使ってみました。
 ラドールにボンド混ぜたような感触で、水にすぐには溶けません。
 くっつける時にラドールのつもりで水をつけてくっつけると、ツルツル滑って上手くくっつかないです。
 接着力が強いので力で押し付けてくっつけてから水をつけて表面をならすという感じでしょうか。
 石粉粘土はストーブですぐ乾きますが、ファンドはストーブで乾かすと表面だけ乾いてしまいます。
 その状態で彫刻刀で削ったりすると大変なことになるので十分に乾かさないと駄目です。

 石粉粘土類は長いこと削りカスを捨ててたんですが、カスをビニール袋にとっておいて水を入れると復活することがわかりました。
 木の粘土も復活します。今までのカスで人形一体出来たんじゃないかな…そこまではないか。
 復活した元カスは水でふやけてべちょべちょだったりするので、新しく袋から出した粘土を捏ねる時に混ぜて使ったりします。
 適度な水分量になるまで放置しとけばちゃんと粘土としても使えるようになります。


・設計図
 設計図はちゃんと描いた方が良いです。頭身の線も引いて、出来るだけ詳しく描きます。
 設計図の段階で悩んでおいた方が、後で粘土いじる時に悩みません。粘土は乾いちゃいますから、悩んでたら大変です。
 関節球の大きさや関節の位置もしっかり決めておきましょう。
 私は前向きと横向きしか描いてないですが、前向き横向き後ろ向きで描く作家さんもいるみたいです。
 参考までに、私が描いた設計図を載せてみました。これを改良して使うと楽かも?


・絵心
 無いよりはあった方が良いですね。何も知らないでいきなり立体作ると大変な事になります。
 私も造形とは別に絵心をつけるための修行中です…


・芯
 発泡スチロールを削って作ります。スチロールカッター(電池のやつ)と、スチロールカッター(普通の)があると便利。
 特に細部を削るのに、電池式でないスチロールカッターを多用します。
 また、芯を再利用する方法がありますが、私は胴体だけで良いと思います。
 胴体が一番作るのが大変です。足とか手は二つに切って繋げてしていると面倒なので…。
 芯にはラップを巻いた方が後で取り出す時に剥がれやすいかと思います。
 ラップも、普通のラップではなく、業務用のこんなのを使います。(幅は10センチ弱)
 これは大きなホームセンターとかで売っています。幅が狭い方が、芯に巻く時に綺麗に巻けます。
 また、こういう風に小さく巻いてある為、力を入れながら芯に巻き付ける事が出来ます。
 色んなラップを試しましたが、これが一番良かったですね。ホームセンターで見かけたら是非購入しておきたいものです。
 また、ラップ付きの芯に粘土を巻くとブカブカします。とても作りにくいです。
 そういう時は粗方粘土を付けてしまったら出来るだけブカブカを取って、乾かしてしまいましょう。
 極端に粘土が飛び出ている箇所とか無ければ、そのまま製作開始出来ます。


・顔つき
 これという参考写真があった方が良いです。
 色んな角度の写真。
 初心者さんにありがちなのが顔のパーツが全部平面につく感じになってるもの…
 これを避けるには色んなポイントに気付かなきゃいけません。
 顔の作り方とか作ってみましたが、書ききれないこともあります。
 私もまだまだ研究中です。


・眼球
 私は殆ど手作りしてます。キラキラ光るお目々を作れる様になりました。こんなの
 作り方は、眼球の作り方を参照して下さい。


・手足
 多分、初めて作ると細すぎになると思います…気持ち太めに作っておいた方が後で丁度良くなります。
 写真撮ると、足が細すぎる時に凄く良く分かります。


・膝関節球が小さくなる
 普通に作ると膝の切り口は楕円になっていると思います。(造形的に、膝の部分を細くしようとする為。いや、自分だけかも?)
 それだと楕円にはまる大きさの球しか入れられなくて、関節球が小さくなります。
 そういう時は切った後でも良いので膝周りに粘土を盛って、膝の切り口を真円にして、内側をギリギリ迄削ってみましょう。
 切り口が真円なら、以前の比にならない大きい関節球が入る様になります。
 関節球が小さいと上手く機能しないです。


・胴体
 何か筒にしか見えない時は、鎖骨から胸にかけての部分を削って凹ませてみた方が雰囲気出ると思います。
 鎖骨は盛るよりも削って出した方が上手く出来ます。
 あと腰をあんまり細くすると美少女フィギュアみたいになります。
 腰から大腿にかけての筋肉(両脇)をちゃんとつけるとグッと胴体らしくなります。
 お臍周りは雫型に凹んでいます。雫型に削ると生々しいお腹になります。お腹ぽっこりにすると可愛らしい幼児体型に。
 ぽっこりはしっかり膨らませたつもりでも、写真に撮ると意外と普通だったりします。


・関節の受けが作れない
 関節の受けはなかなか作りにくいです。だって空洞の所へ粘土の仕切りをいきなり入れるなんて難しいですよね。
 粘土は柔らかくてちゃんと止まらないですし。
 そういう時は周りから粘土を盛る様にしてくっつけていきます。
 または、筒の直径の大きさに平たい粘土を取り、筒の受け部分に貼り付けて、ラップを挟んで球体をぐりぐり押しつけると
 綺麗な受けが出来ます。箇所によって色々使い分けてみましょう。
 また、粗方出来上がりましたら乾かしてしまうのも手です。
 乾かして土台がしっかりしてから綺麗な受けに削り出したり、継ぎ足して作って行くのがやりやすいです。
 あと、細く延ばした粘土を受け側の縁にくっつけて、ラップを挟んで球体を押し付けて受けを作る方法があります。
 これだと後で穴を開けるとかしなくていいので粘土が無駄になりません。


・関節でした方が良いこと
 球の真ん中にステンレスの針金を通して、通すゴムが関節の一点に当たらない様にした方が良いです。
 ゴムつけっぱだと関節が痛みますからね。詳しくは関節の作り方(細かい処理について)をご覧下さい。
 針金通しは、肩関節、膝関節には必須です。股関節にも付けた方が良いです。
 首が変な方向に勝手に曲がる場合は、胴体の方の首パーツの付け根に針金を通しておくと、
 ゴムがパーツに引っかからないので少しは不具合が無くなると思います。
 最近は球体という球体には全部針金を通しています。本来そうあるべきなので…
 慣れたらそうされると良いかと思います。
 あと、出来上がったら、組み立てる前に、全部の関節の受け部分に布を貼ります。
 適度に厚みがあるものを。フェルト程厚いと具合が悪くなりそうなんで、もう少し薄いもの。
 使い古した肌着でも結構です。
 
 こんな形に切って、受け部分の、ゴムが通る穴の周りを囲むように貼ります。受けいっぱいいっぱいの大きさでなくて良いです。
 布を貼っておくと、関節がスムーズに動くようになります!肩とか首も忘れやすいのでしっかり貼ってね。
 人間は機械じゃないので、球も受けも完璧にぴったりには作れません。
 ですから布を貼らないと、いつの間にか塗料が剥げたり下地まで剥げたりします。布は関節のクッションになるのです。
 また、関節人形の扱いに慣れてない方にいきなり人形をプレゼントするよーな時は、何がなくとも必ず布だけは貼って下さい!
 布貼っておくと、関節を曲げる微妙な位置とか(作る人には分かりますよね…)、知らない人が多少乱暴に扱っても大丈夫です。
 また、粘土の段階で球を作る時の事ですが、球の中身の発泡スチロールは実際のものより小さめを選んで、厚く粘土を盛る様にします。
 丸めているうちに中で発泡スチロールが偏って、薄い所がかなり薄くなってしまうからです。(厚めにしておけば偏ってもさほど弱くならない)
 手の平で転がすとUFO型になったりします。手の平に力を込めてぐりぐり丸めるか、粘土板と手の平で転がすと上手く球になります。
 空気が入ってる場合は爪楊枝で刺して空気を抜いて丸めます。
 また、少し乾かしてから、膨らんでいる所を少し押して均等に整形する方法もあります。


・必要なもの
 造形には粘土ベラがあると便利です。市販の木のヘラを尖らせて薄く削って作るととっても使いやすいです。100円くらいで売ってます。
 あとルーターがあるととても良いですが、一般家庭にはなかなか無いですね。コンセントに直付けの安いやつもあるので、
 ルーターはあった方が良いと思います。必要な刃は、穴開け用の棒状のやつ。
 あと、人形にゴム通す道具は、テグスがあると超便利。二本取りにして、両方に輪を作ります。
 テグスでゴムを通すと、曲がった場所にも対応出来るのでやりやすいです。
 まっすぐな部分や力のいる部分は針金の先を曲げたものを使用します。
 あとはよく切れるカッターがあると便利。細かい細工に多用します。同じ用途で、よく切れる彫刻刀も必須です。
 やすりは、裏がスポンジになってるやすりがとても便利です。
 紙やすりは変な跡がついたり均等でなかったりします。(それを利用して細部を削る方法もある)
 あと、医療用テープがあると便利。関節球が取れちゃったーとか、頭割った所を仮止めしたいーとか、そういう時に、
 セロハンテープなんか使うとすぐに剥がれちゃって使い物になりません。
 医療用テープは、乾いた粘土にしっかりくっついてくれます。
 あと、粘土を乾かす為に洗濯物乾かすハンガーですね。割り箸を胴体の肩穴に通して乾かしたり、色々応用が出来ます。
 あとデジカメです。私の使ってるのはリンク先のもの。
 作業が一区切りついたらバシバシ写真を撮ってみるのが良いです。色んな角度から。
 写真を撮ると、細部の修正個所が分かるし、励みになります。


・下地塗り
 ユザワヤに溶いた状態の胡粉が売ってたんで(500円くらい)使ってみました。
 原液の半量の水を加えて薄めます。湿度とかにもよるので様子見つつですが…
 新聞紙にひと塗りしてみて乾いた後、下の文字が読めないくらいの濃さが良いようです。かと言って濃すぎず適度にサラサラで。
 ユザワヤの溶き胡粉、原液のままだと濃すぎて筆跡を消すのが超大変です。
 肌色を作りたい人は透明水彩で着色してから塗ります。
 胡粉自体が白いので、肌色をあまり入れないと、色がつかないままになったりします。
 胡粉自体は結構濃いめに色つけても平気です。(でも試し塗りはしてみてね)
 アクリル絵の具で肌色をつけると、磨いた時に色が濃くなってしまいます。
 濃くなることを計算して始めの色を作れば良いかもしれないんですが、透明水彩でやった方が絶対良いです…
 色がついたら、全体量の二割のボンドを混ぜて、なるべく筆跡がつかないようにさっさと塗っていきます。
 6回くらい塗り重ねます。塗り重ねておかないと、磨いた時に下地出まくりです。
 冬場は、一つのパーツを塗り終わる頃には塗り始めの部分が乾いているくらいなので、その他のパーツを一つ塗って、
 また最初のパーツに戻るように作業すると、スピーディーな塗り重ねが出来ます。
 で、夜に胡粉塗って寝て起きて次の日に筆跡消し作業しようと思うと、冬場ではもう手遅れです。
 かなり硬くなってて削るのにとても苦労します。冬場は全パーツを塗り終わって、乾いたと見たら即磨きます!
 三時間四時間ほっとくともう手遅れ感が…。冬場の胡粉の恐怖です。
 夏場はもう少しのんびりでも大丈夫です。
 磨きについては、八割がた乾いたら硬く絞った木綿布で筆跡を消して、更に布やすりで磨きます。
 (色々使ったけど320番の布やすりが一番便利)
 説明サイトによって紙やすりで削るものと木綿布を濡らしたもので磨くものと布やすりで磨くものがありますが、
 紙やすりで磨くと力入れすぎた時に下地が割れてる事があります。
 木綿布で磨くとごしごし擦ってるうちに下地が薄くなって剥げてる事があります。どちらも程々が一番な様子。
 あと、紙やすりの粗いの(160番くらい)を濡らして磨いたら、下地が消しカスみたいにぼろぼろ取れて、
 結果として均等な表面になっちゃったんでこの方法は結構使えるかも知れません。特に、下地が剥がれてしまって、
 もう一度厚く塗り直してその部分だけ盛り上がっちゃった場合とか、その部分を均すのに便利です。
 胡粉は表面が綺麗になるしかなり硬くなるし乾燥速いし、どのサイトでも言われる様に下地として一番良いんじゃないかと思います。
 あとは肌の仕上げですね。
 ツヤツヤが好きな方は胡粉磨いて放置で良いです。肌色を混ぜてそのまま仕上げてしまう時もツヤツヤで結構かと思います。
 油絵の具でばっちり着色する時には、レミさんの説明サイトにあるスポンジ仕上げ方法をお薦めします。
 スポンジに下地塗料を付けてポンポンして、乾いたスポンジで水分を吸収、とやる方法です。
 問題は使うスポンジ。髪を巻くスポンジを使うとレミさん所で書いてあったんで、カーラーのスポンジを使ってみました。
 しかしスポンジ自体が弱いのか老朽化してたのか、スポンジカスがぼろぼろ入る!
 他にも、台所用スポンジ(金属磨くとピカピカになる例の白いスポンジ)を使ってみました。
 …しかしそのスポンジでは肌がかえって粗くなってしまいました。もう少し目の粗いスポンジでも試したのですが、
 やはり髪を巻くスポンジくらい粗いものでないと肌は綺麗にならないみたいです。
 スポンジの目の粗さと、仕上がりの肌の粗さは反比例の関係にあったのですね。
 それでカーラーのスポンジでカスが入らない様に注意してやってたんですけど、仕上がりは良くてもやはりカスが入る…
 入ったままじゃ困るんで乾いてから擦ってみました。意外にも綺麗に剥がれ落ちました(゚□゚)
 爪でカリカリやるとぽろりとすぐ取れます。カスが入ってた跡はA型の私が気にならない程度です。(どんなだ)
 新しいスポンジ使えばカス入らないんでしょうかね。試してないのでまだ分かりません。
 で、肌をスポンジ仕上げすると、絵の具の乗りが格段に良くなります。
 球体部分はざらざらにするとまずそうなんで肌仕上げにしなかったんですけど、やはり肌仕上げした部分の方が絵の具が綺麗に乗ります。
 球体部分は絵の具が馴染んでない感じになりました。重ね塗りすれば何とかなりそうですけど、肌仕上げした部分は
 一発で綺麗に乗って、その差は一目瞭然。肌仕上げした状態はざらざらですけど、絵の具塗るとそんなに気にならなくなるんで、
 油絵の具全塗りをする人は試してみても良いかも知れません。今現在は油絵の具全塗りはやってません。


・色塗り
 かなり苦労しました。ここで失敗するとそれ迄の苦労が水の泡になるんで、慎重に行って下さい。
 まず私は一体目の人形では、胡粉(下地)に色を付けませんでした。何故かと言われても困るのですが、参考にしてるサイトでは
 皆さん下地には色付けてなかったので…。それで肉色塗装というらしいのですが、まず血肉色に真っ赤に塗ってから
 肌色を塗りました。下に別の色を入れる場合はアクリル絵の具で塗ります。最初に油絵の具で塗ってしまったら
 表面がボコボコになってしまったので、慌てて有機塗料落としで必死に落としました。アホですね。
 あと重要な事なんですが、油絵の具は初心者にお勧めとどのサイトでも書いてあるのですが、
 今まで油絵の具に触れた事の無い人には激しくお薦めしません。それでなくとも表面ボコボコになります。
 どう塗っても筆跡がしっかり付いてしまいます。(布につけて擦り込んでも、布の繊維の跡がつく)
 でも、下地の表面を800番くらいでかなりツヤツヤに仕上げてから化粧用スポンジで油絵の具を擦り込むと、
 そんなに跡はつきません。(しかしこれでは
スポンジ仕上げ方法が使えません)
 擦り込み法だと、下地に真っ赤な色とか使ってる場合は上手く行きません。下の色がガサガサと透けてしまうからです。
 なんにしろ初心者さんは、油絵の具で全塗りする方法を試す前に、一番下に書く方法でやってみた方が失敗がありません。

 油絵の具の筆跡は、乾きかけの時に指で撫でつけたり、油彩用の溶き油をキッチンペーパーに付けて擦ったりすると消えるのですが、
 やる時期を誤ると下地の色が浮き出てきたりして恐ろしい事になります。
 油絵の具は、塗り重ねるとどんどん塗りやすくなりますから、やるなら二回くらい塗り重ねた方が良いと思います。(薄塗りで)
 溶き油は速乾性のものを使ってましたが、速乾性はベタベタになっていつまでも残ります。
 そのせいで、後々、組み立てた時に、関節の接合部が癒着して色や下地が剥げたりしました。恐ろしいですね。
 ここまで分かるのに試行錯誤してせっかくの人形が結構酷い目に遭いました。
 紙やすりで油絵の具を磨くのも筆跡消しに有効な方法ですが、やすりで磨いた部分は色が濃くなったりします。
 完全に乾いてからやればそうはならないかも知れませんが、完全に乾くには一ヶ月くらいかかります。
 乾いてから筆跡を消す時は、有機塗料落としの溶剤で筆跡の付いた部分をこすると、綺麗に消えます。
 (でもちょっと色が薄くなったりするので気を付けてやって下さい)
 なんにしろ油絵の具は気長〜な人でないと出来ないと思います。
 あ、あと重要な事がもう一個。下地に濃い別の色を塗るのも初心者には激しくお勧めしません
 色塗りに慣れてないと大変な事になります。肌に確実に深みはあるんですけど、塗ってるとすぐに下地出て来ちゃうし
 色がしみ出して(溶けているのではなく、顔料の欠片が混ざり込むのだと思う)、上に塗っている肌色の具合が変わってきたりします。
 それを利用して紅を入れるのも面白いんですが、なかなか調整が難しいです。かなり、試行錯誤します。その間に人形が傷みます。
 淡い色で下地に別の色を加えるのであればまだやりやすいと思います。 
 油絵の具やアクリル絵の具の場合、肌色は、あんまり肌色ーっていう色を作らずに、白っぽい色の方が良いかと思います。
 塗ってみると意外と濃くなっちゃうんで、フィギュアっぽくなっちゃいます。

 あと今回人形作って分かったんですが、初心者さんが表面をツルツルに綺麗にしようと思ったら、胡粉に色付け方式が一番良いです。
 アクリルを塗り重ねて磨くのも良いのですが、アクリルは色が濃くなるので慣れない方には色の調整が難しいです。
 (失敗したら塗り重ねれば良いですけど(^-^;))
 胡粉に色付け方式だと、肌色を作ってもよっぽどの事が無ければ濃すぎにはなりません。
 塗ってみて薄かったら濃くしてまた塗り重ねれば良い訳ですし、失敗がありません。
 (ただ、新しい色にしたら三回は塗り重ねないと磨いた時に下の色が出てきます)
 ユザワヤの溶き胡粉を薄めて使う方式で、是非トライしてみて下さいね。
 で胡粉に色つけて人形が肌色になったは良いですが、そのままでは濃淡がありません。
 濃淡の無いフィギュアやドルフィーっぽい人形が好きでしたらそれでも良いのですが、紅くらいはさしたい所ですね。
 (紅だけなら化粧品で塗っちゃっても良いと思いますけど、水塗れとか耐久性に不安があります)
 そしたら、油絵の具を使って濃淡や紅をさします。化粧用スポンジで薄く薄く塗ります。
 油絵の具の代わりにアクリルを使いたい方は、一発勝負なんで難しいけど出来ない事はないので頑張って〜。
 あと簡単なのはパステルです。油絵の具乾かしてる時間なんて無いよーって方はパステル何色かセットを買って彩色してみては。
 (人形作家さんがそうやってるので書いたのですが私は試してません)
 エリセさんは特に水に濡らす予定もないので、透明水彩と対人用チーク(ペースト状の奴)で仕上げてしまいました。一番簡単です。
 ただこの方法で仕上げると水には超弱いので水回りには置かないようにします。
 それで色塗りは終了。胡粉は乾くと結構丈夫になります。(水には弱いので、吉田良さんの人形写真みたいに水に沈めたりしないで下さい)
 初心者さんでしたら、最難関の色塗りは、以上の方法で解決できます。



・完成度の高い人形を目指す
 自分はまだまだまだなんですけど、色々気付いた事があるんで書き連ねてみます。
 まず球体関節人形なので、球体関節について熟考する事は大事です。
 説明サイトや写真を見ただけでは意外と正しい球体関節は作れないもの。
 その辺の所は"球体"関節ということで精一杯説明したつもりですが、やっぱり実際作って考えてみないと分からないですね。
 お教室に通えばすぐ分かる事なんでしょうけど。
 それから、球体はなるべく真の球体になる様によく磨きます。
 えーと後は、造形です。
 パーツ、例えば二の腕のパーツ、腕先のパーツ、太股、膝から下のパーツ、これらは左右が分からなくなるくらいちゃんと作ります。
 左右が分からないとは言っても、パーツとしてよく見れば、筋肉の付き方とかで左右は分かるんです。
 問題は関節部分。右大腿のパーツに左下腿のパーツを付けても違和感が無いくらいまで、接合部は同じに作ります。
 一体目は関節繋げてみれば左右でぴったりしないんですぐ判別出来たんですが、二体目は綺麗に作ったので、
 パーツ内側に書いてある左右の印を見ないと正しく組み立てられないです。(よーく見れば肉の付き方で分かるんですが)
 関節部がちゃんと左右同じ感じで作られているという事は完成度にかなり重要な事です。
 あと、肌仕上げも問題です。クロスクレイを塗って丁寧に磨いておきます。凹んだ所は下地で埋めればいいやって思っちゃうんですが、
 しっかり直しておきましょう。下地塗る前に、もう完璧なお肌にしておきます。
 そして胡粉塗り。薄めて何度も塗ります。適度な薄さで塗ると、筆跡消しが殆ど苦にならないです。
 これは本当なので、適度な薄さは探求してみて下さい。筆跡消すのが一番大変ですからね…。
 筆跡が気になっても塗り重ねる!と、後で苦労しますので。(特に冬場)
 それでもついた筆跡消しには濡らしたサラシで拭くのが一番効きます。
 薄めて塗ると均等に塗れるのは良いのですが強度が心配なので、ちゃんと塗り重ねて下さい。
 あと人形は顔が命です。メイクで随分顔が変わるので、好きな人形作家さんのメイクを参考にして可愛くお化粧してあげましょう。
 更に、顔の命は眼です。似合う目を探してあげましょう。自作すると簡単に好きな目が出来るのでお薦めですよ。安価ですしね。

あとは、気付いた時に書き足します。

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