・制作全般

Q1、作りやすい人形のサイズは?また、それを作るのにどのくらいの期間がかかりますか?

Q2、一体作るのにどのくらいの費用がかかりますか?

Q3、中学生でも作れますか?


・素材の量

Q4、人形の粘土の量を教えて下さい

Q5、人形の髪の量を教えて下さい

Q6、人形の胡粉の量を教えて下さい


・制作中の質問

Q7、乾燥したらヒビ割れました

Q8、パーツが折れてしまいました

Q9、球が作れません

Q10、小さい球にも芯を入れる必要はありますか?

Q11、指の芯にスチロールを入れるのはどうか

Q12、関節の溝の幅は?

Q13、指関節は作れますか?

Q14、独立球関節で自立はできますか?

Q15、目が取れなくなってしまいました

Q16、大型人形の粘土の厚みは?

Q17、ラドールで作るとクロスクレイの工程を省けますか?

Q18、クロスクレイを塗るとまだらになります

Q19、下地剤が簡単に剥がれてしまいます

Q20、削って塗装が剥がれた部分を塗り直そうと思っているのですが…

Q21、胡粉が分離しました

Q22、パステルメイクの耐久性は?

Q23、上手く自立しません

Q24、関節が回ってしまいます

Q25、アクリル球が切れません

Q26、人形の保管方法は?


・素材に関する質問

Q27、関節の受けに貼る布の素材は?

Q28、木の粘土ってどうなんでしょう

Q29、プルミエってどうなんでしょう


・その他

Q30、通販サイトを教えて下さい



Q1、作りやすい人形のサイズは?また、それを作るのにどのくらいの期間がかかりますか?

A1、初めてでしたら、最低限40cmはあった方が作りやすいです。
  市販ドールに合わせるならMSDサイズ(40cmちょい)でしょうか。
  40cmでも指先などはかなり細かくなってしまうので、
  製図にしてダメそうだな、と思ったら50cmくらいにすると良いと思います。
  制作期間は、細密さにもよりますがSDサイズで二、三カ月って所でしょうか…
  冬場はストーブがあるし乾燥しているので作業が早く進みます。(粘土乾かす時間が省ける)
  私はミニヒーターを使って夏場でも温風乾燥させています。


Q2、一体作るのにどのくらいの費用がかかりますか?

A2、粘土4袋で約1600円、
  胡粉一個で約600円、
  油絵の具、筆を揃えて3000円くらい
  ボンドや彫刻刀などで2500円くらい
  針金で1000円くらい
  スチロール約1500円
  ルーター5000円くらい
  アクリルアイ800円くらい
  ドールウィッグ4000円くらい
  ここまででちょうど2万円になりました。

  しかしこの中には最初から持っているものもたくさんあることと思います。
  また、ドールウィッグが結構嵩んでいるので、モヘアなど簡単に貼れる髪素材にすれば
  髪の出費は二千円くらいに抑えられると思います。
  (モヘアは髪型が整いやすく、頭囲24cm以下なら大体一束で足りるので、初心者さんにオススメ!)
  節約すれば大体一万円くらいになるのではないでしょうか。

  さらにこだわる方はグラスアイ、人毛ウィッグなどを使うこともあるかと思います。
  そうなるとグラスアイ約五千円、人毛ウィッグ五千円〜八千円くらいとかなり嵩んできます。
  人毛を貼る場合も、みのが結構要るのでウィッグと大体同じくらいの値段になってしまいます。

  節約の仕方ですが、粘土を100均で買うとかはやめた方が良いです。
  最低限の素材だけは良いものを使ってください。耐久性や仕上がりに影響します。
  スチロールは梱包材から拾うとか、電器屋さんから貰うとか、
  彫刻刀は家族が使ってたものがあるかもしれません。
  油彩じゃなくてパステルメイクにすれば彩色にかかる費用は千円くらいで済みます。
  目玉は手作りすればかなり安く上がります。
  ルーターはあれば便利ですが無くても気合いで作れると思います。


Q3、中学生くらいでも作れるものでしょうか?

A3、中学生で作られている方もお見かけします。
  人形愛と根気があれば必ず完成させられると思います。
  とりあえず仮繋ぎまで持っていければ後は勢いで作れるんじゃないかと…


Q4、人形に使う粘土の量を教えて下さい

A4、これは本当に個人差があるので一概に言えません…
  SDサイズでしたらとりあえず四袋くらい買っておいて、足りなかったら買い足すのが良いです。
  100cm超の人形ですと普通に13袋とか使います。


Q5、人形の髪の毛の量を教えて下さい

A5、みの状になっているもので説明します。頭に髪を貼るラインを描いて、長さを全部測って合計して下さい。
  それにつむじに差し込む一巾分の長さを足したものが髪の量です。バラ売りのものもこれを応用して下さい。
  でも正確には言えないので、大体の量を買って、足りなかったら買い足す方法で私はやってます…


Q6、胡粉の量を教えて下さい

A6、SDサイズの場合は講座に書いておきました。→下地塗り


Q7、乾燥したらヒビ割れました

A7、ヒビは水で柔らかくした粘土で綺麗に埋めて下さい。深い場合は彫刻刀で彫って、ヒビの奥まで補修します。
   内部にヒビを残したままにすると、仕上げた後、年数が経って収縮した場合に表面までヒビ割れが出たりします。
   また、ヒビを仕上げの胡粉で埋めることはできません。胡粉で凹みを埋めればいいやってつい考えちゃうのですが、
   胡粉で凸凹の調整をするのは物凄く難しいです。


Q8、パーツが折れてしまいました

A8、瞬間接着剤でくっつけます。剤が表面に出ないように気を付けてください。


Q9、球が作れません

A9、え、えーと…頑張ってください!
  機械のように正確でなくても機能します。真の球体に近い方が勿論良いですが。
  どうしてもダメだったら型取りして作る方法もありますので講座の方見てみて下さい。


Q10、小さい球にも芯を入れる必要はあるのでしょうか?

A10、小さくて芯が入れられないなら無理に入れなくて良いです。
   粘土だけで球を作って関節の溝を掘れば良いと思います。小さいと手元が狂いやすいから気をつけて下さい。


Q11、指の芯にスチロールを入れるのはどうか

A11、いくら指が太くても、芯にはやはり硬いものを入れた方が良いと思います。
   芯に硬いものが入ってるから、パキッと折れない指になるので…


Q12、関節の溝の幅はどのくらいでしょうか

A12、使うゴムが二本通る幅があれば良いと思います。


Q13、指関節は作れますか?

A13、100cm超の人形で、気合いがあれば作れると思いますが…
   指関節はなかなか難しいので、色々研究してみて下さい!
   服屋にいる指関節マネキンを観察してみるのも良いかもです。


Q14、恋月姫さんみたいな独立球関節で自立はできますか?

A14、膝は上下くっつかないと見せ掛けて一部くっつく仕様にしておけば必ず自立します。図にするとコレです。
   マルイチの図は上下に接点が無く自立が難しい(て言うか出来ない)膝関節ですが、
   マルニは接点があり自立できる膝関節です。ポイントは直立の状態で接点がちゃんと接するように作ることです。


Q15、目が取れなくなってしまいました

A15、内側から目の周りの粘土を出来るだけ取り除いて、水をつけてふやかせば取れると思います。
   粘土を取り除く時は彫刻刀を使いますが、目を傷つけないように気を付けて下さい。


Q16、大型人形の粘土の厚みは?

A16、色々調べてみました。大型人形に使う木の粘土は6〜7ミリ厚もあれば十分な強度が得られるみたいです。
   関節の部分など特に強度が必要な部分以外は薄めに作った方が良いです。
   無駄に厚いと重いし乾きにくいので作業効率がガクンと落ちます。芯は無駄に小さくしない方が良いです。


Q17、ラドールだけで作る場合、クロスクレイの工程は省けますか?

A17、仕上げる前にスポンジヤスリで綺麗に磨けば省いても結構です。
   でもクロスクレイを使うと感覚的には分からない微小な凹みも埋められるので作業は楽だと思います。


Q18、クロスクレイを塗るとまだらになります

A18、木の粘土を使った場合クロスクレイを塗るとまだらになりますが、
   綺麗に磨いてそのまま下地を塗り重ねればまだらは透けてこないので問題ないです。


Q19、下地剤が簡単に剥がれてしまいます

A19、ボンドを配合していなかったのが原因みたいです。ボンドがないと剥がれてしまうので忘れずに入れて下さい。


Q20、削って塗装が剥がれた部分を塗り直そうと思っているのですが、
  先の塗装の上にそのまま塗り重ねてもいいのでしょうか?
  何か下地を塗って、先の塗装を隠すとか良い方法があったら教えてください。
  もし塗装を全部剥がしてやり直さなければならないとしたら、何か簡単に塗装をはがせる方法はないでしょうか?

A20、削った所に濃い目の下地を塗って塗装してヤスリで均せば良いと思います。
  削った部分の周りまで広く塗装し直すと目立たなくなると思います。
  どうしてもうまく出来なかったら全部塗り直した方が良いですが、下地を剥がすの大変です。
  塗装が乾いているならガムテープを貼ってバリバリ剥がすか、それがダメだったら粗いヤスリで削って剥がします。


Q21、胡粉をビンに入れて保存していたら、透明な部分と色の付いた部分に分離しているのですが、
  まだ使えるのかどうか教えてください。保存していたのは室内で、保存期間は1ヶ月くらいです。

A21、私はその場合は普通に混ぜて使ってしまいますが…半年前の胡粉でも使えました。


Q22、パステルメイクの耐久性は?

A22、擦っても意外と落ちないものですが、心配だったらSDのメイク法を参考にされると良いかもしれません。


Q23、上手く自立しません

A23、バランスが悪いというのでまず考えられるのは股関節球が体の側面から見て正中線を通っていないということです。
   設計図を確認してみてください。設計図が正しいようなら実際に作った方が間違えている可能性があります。
   ズレていた場合は、股関節球の受けを全部削って正しい位置に作り直してください。
   また、位置が正しかったなら、受けと球がピッタリしていないことが考えられます。
   合っていないようでしたら受けを盛ったり削ったりして調整してみて下さい。
   あと膝関節の受けも球にピッタリするように作ってあれば自立すると思います…


Q24、関節がくるくる回ってしまいます

A24、関節が回るのは問題ないです。作家の人形の関節がいつもちゃんとしてるのはそういう状態で撮ってるからです。
   膝関節を山形に作るとくるくる回るのを防ぐことができますが、回ること自体は異常ではありません。


Q25、アクリル球を最近買ったルーターで切ろうとしたのですが、うまく切れません。
  電池式の安物なのでなのかもしれませんが…普通のルーターは、スッパリ切れるもんなのでしょうか?
  それと、無理やり切ったアクリル球を紙やすりで削ってみましたが、
  白く濁ったみたいに細かい傷が出来てしまいました…これは、解消する方法はありますか?

A25、しっかり固定して切れば出来ると思います…でも危険なので無理しないで下さい(汗)
  新宿オカダヤに売ってるアクリル半球を使うことをお薦めします…
  アクリル球の白く濁った所は、なるべく目の細かいやすりで磨いてください。
  まだ白く濁ってると思いますが、透明塗料を塗ると傷は綺麗に埋まります。


Q26、人形の保管方法は?

A26、高温多湿直射日光水分を避けて保管して下さいとしか言えませんが…
   髪が化繊の場合は埃を呼ぶので何か覆いしておいた方がいいです。
   あとは市松人形みたいなガラスケースに入れて飾るとか…
   あと人形作家さんでバラして箱詰めして押し入れの中に入れてあるってのも聞いたことあります。


Q27、関節の受けに貼る布の素材は何ですか?

A27、私が使っていたのはジャージという伸縮性のある素材でした。
  他にも使い古した肌着などを切り抜いて使っても結構です。


Q28、木の粘土ってどうなんでしょう

A28、まず、初心者にはラドールがお薦めです。
100センチ超の大きな人形を作るのでしたらウッドフォルモ(木の粘土)を混ぜて作こともあります。
木の粘土は軽くて丈夫だからです。
ただ収縮率があり、ラドールと比べるとかなり縮んでしまうので、
ラドール:ウッドフォルモ=1:1とか2:1で作った方が良いです。
 木の粘土を混ぜた粘土の特徴としては
 ・水をいくらでも含んでくれる。やわらかい
 ・乾いた時に丈夫になり、軽い
 ・丈夫ゆえに彫刻刀で彫りづらい。ラドールの比じゃない
 ・つまり磨くのも一苦労
 ・縮むので、よくひび割れる
 ・繊維が入っているので表面が荒い。これは後でクロスクレイ塗って磨くから心配無いが、
  あまり小さい人形の場合は細部が作れないことがあるので注意。
 ・粘土を混ぜたままほっとくとカビが生える
 ・乾燥は遅い。ラドールの比じゃない
こんな感じです。
石粉粘土はいまいち手触り固いな〜と思う方や、大きな人形を作られる方にはお薦めします。
しかし初心者には木の粘土、激しくお薦めできません
上手い方が木の粘土使ってるからと言っても、それは造形に慣れてるからであって、
粘土いじったことない人には石粉粘土の方が絶対良いです。
木の粘土は物凄く固い為、彫刻刀で彫りづらい、磨きづらいという難点は初心者には大きな障害となります。
石粉程度の柔らかさが、彫刻刀で彫ったり磨いたりするのに一番丁度良いです。
自分に合った粘土を探すのも大事ですが、造形に慣れるためにも、最初はラドールだけで作るのをお薦めします。



Q29、プルミエってどうなんでしょう

A29、私は使ったことないのでよく分かりませんが、調べてみると軽くて丈夫なラドールみたいなものらしいです。
   ただ軽い所が災いして細密な造形に向かないこともあるとか。ラドールと混ぜて使う人が多いようです。
   最初から混ぜてあるLaDoll PREMIXも売っています。
   詳しくは検索かけると出てくるので色々見てみて下さい。


Q30、通販サイトを教えて下さい

A30、人形関連用品リンク集を作りました。ここに載っていないものは検索かけて探してみて下さい。



何事も実践してみれば解決することも多いので、失敗を恐れず頑張って下さい!

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