球体関節人形の作り方
 12・手と足の関節を作る


 足首の球が入る部分を彫刻刀で広くあけておきます。

 輪にした粘土を載せて、球を入れます。こんな感じのバランスで…。
 かかとは張り出し気味にしておいた方が安定します。

 乾いたら球の周りを整えます。

 手は、芯の針金を切って球を入れる部分を削っておきます。

 球をくっつけます。
 球は手首に真っ直ぐ付けるより少し上向き加減につけた方が可愛らしくなります。

 繋ぎ目が自然になるように整えます。

 手の甲は球とあまり段差をつけない方が可愛くなります。
 粘土を詰めて指から球へなだらかに繋がるように作ります。

 足と手の球をくっつけたら、次は関節の受けを作ります。

 足首を製図に合わせて切っておきます。

 内側を球が入る大きさまで削ります。平刀が便利。

 足首の方に輪にした粘土をくっつけて、ラップを挟んで足を押し込みます。

 足首の受けができました。

 左右の足の高さが違わないようにします。
 並べて立ててみて、膝の位置が合っていれば大丈夫です。

 手首の受けも作ります。

 橈骨と尺骨に合わせて手首の先を切ります。
 写真の、鉛筆で描いてあるラインです。

 細かいところを切る時は、ラインに沿って三角刀で溝をつけます。
 そのあと平刀で溝に沿って削れば、手元が狂いません。

 手首も球が入るように内側を削ります。

 輪にした粘土をつけ、ラップを挟んで押し込みます。

 手首の受けができました。

 左右で腕の長さが違わないように、並べて確認しておきます。

 手首の関節を入れない場合はこんな感じで手と腕をくっつけておきます。

 この場合は肘関節球に、以下で説明する手首球の細工をします。

 足首と手首の関節にゴムを引っかけるための細工をします。

 写真のように穴をあける印をつけます。

 手首にも同じように印をつけます。

 関節の部分の細長い穴の開け方は図の通りです。

 描いた印に従って、ルーターで穴をあけます。
 それからその穴を繋げます。ルーターの場合はそのまま削って繋げます。
 キリで穴をあけた場合は、彫刻刀やカッターで穴の間を繋いでいきます。
 そうしたら、彫刻刀で穴をひろげて綺麗な形にします。
 ルーターなどで穴をひろげてしまうと綺麗な形にするのが難しいので、
 彫刻刀で仕上げた方が良いと思います。
 彫刻刀は平刀を使います。

 小さい球(芯の入っていない球)は、ルーターで割るようにして溝をあけます。

 穴の部分は付けても付けなくても良いのですが私は入れています…
 理由は以下で。

 次はゴムを引っかけるSカンを作ります。

 針金を適量切り、ラジオペンチで曲げて形を作ります。
 ペンチを2つ使うと作りやすいです。

 手の方のSカンです。

 輪の小さい方が手首球の中に入ります。

 次に、作ったSカンを引っかけるための針金を通します。
 写真のような感じで針金が入ります。

 Sカンを手首球の中に入れ、針金を通してみます。
 もし手首の中にSカンが入らなかったら、溝をもう少し掘り下げます。

 30cmくらいの小さいお人形を作る場合、Sカンは入れられません。
 その場合は細くて丈夫な紐を通してSカンの代わりにします。
 私は凧糸を解いて使っています。
 紐を入れる場合、仕上げも終わって一番最後に通した方が作りやすいと思います。

 針金を切り、Sカンに通して固定します。
 この時、中から瞬間接着剤を流し込むとSカンを接着してしまう恐れがあります。
 その場合は、外の穴から接着剤を流し込みます。

 左右できました。

 溝以外の穴の部分ですが、Sカンが中で動いても関節が傷まないようにあけています。
 あと接着剤を流したりSカンを入れたりの作業がしやすいのもあります。
 溝だけで作る人もいるので省略しても良いと思います。


 並べてみてバランスを確認しておきます。

 手首を腕と繋げて作る場合はこんな感じになります。

 Sカンは内部でこのようになっています。
 組み立てる時にSカンにゴムを通して使います。

 足の方のSカンも作ります。

 足首の球にも針金を通します。

 手と同じように針金を通してSカンを引っかけます。
 針金は瞬間接着剤で固定します。
 手首より球が大きいので、Sカンを通す時はさほど苦労しないと思います。

 足の形を整えて、足首を載せてバランスを確認しておきます。

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