球体関節人形の作り方
 09・腕と脚を作る


腕と脚を作ります。

  まずは腕から…。
写真は右腕です。側面から見た図と、90°回して正面を見た図。
手をまっすぐ前に伸ばして、そのまま手の平を上にした時、肘の内側が見える、
その状態です。
引いているラインは肘関節の側面の中心線から、
正面の手首の中心に向かっています。

 肘からも直線を引いておきます。
 手首の内側と外側で、引いた線が対称の位置にくるようにします。
 手首を下から見た図がコレ。腕の内側と外側のラインの下端が赤い点で示されています。
 

 この2本のポイントとなるラインは、橈骨と尺骨という2本の骨のラインなのです。
 (小指側の骨が尺骨です。肘から小指側をものにくっつけて一尺二尺と計るから)
 腕は骨が2本ある事で、「ひねる」という動作ができるようになっています。
 その骨がひねった状態でどうなっているかは、表面からも分かります。
 もちろんひねることで、生身の人間ならこのラインは移動します。
 でも人形はラインが動くようには作れないので、一番自然な状態のラインで作ります。

 ラインに沿って彫刻刀で削ります。
 ラインが山になって残るように。

   二の腕も削っておきます。
斜め、正面、内側から斜めの写真。
こんな感じで筋肉が出ています。

 二の腕も目印に合わせて削ります。
 線の外側を削る感じで。
 肘の内側も少し凹むように削っておきます。

 凹んでいる部分ができたら、次は粘土を盛って膨らみを足します。

 右腕を側面から見た写真。

 左腕も同じように作ります。
 ラインは左右対称になります。

 乾かしたらスポンジヤスリの荒目をかけて整えます。

 次は足を作ります。
 足もポイントになるラインがあります。
 太股と膝から下のラインです。
 このラインが一番出ている部分になります。

 ラインにそって削っていきます。

 スポンジヤスリの荒目で、山になる部分に沿って削っても良いです。

 ラインに沿って削ったところ。

 そうしたら、粘土を足して凹んでいる部分を埋めたり、膨らみを足したりします。

 製図の側面図に合わせて、ラインが足りない所は盛ります。

 太股にも粘土を盛ります。
 側面図と合わせて太さが合うようにします。
 膝の上はぽっこり肉を盛ると可愛らしいと思います。

 大腿の付け根が製図より短かった場合、製図に合わせて粘土を足しておきます。
 矢印の部分です。
 ここは芯を抜く前に足しておいた方が作りやすいです。

 膝も作ります。あまり出っ張りすぎないようにします。

 関節にする部分をこの後に切り離していくので、膝周りはちゃんと作っておきます。
 切ってしまうと直しにくいので、切る前になるべく完成に近い形で整えておくのです。

 乾かして、スポンジヤスリの荒目をかけて整えます。

 太股は筋肉を意識して作ると良いです。
 筋肉図を参考にすると良いですね。
 太股の内側を凹ませるとちゃんとお座りできます。
 凹ませると穴があきそうな時は、裏から粘土を盛って乾かしてから削ります。

 太股を斜めに走る筋肉がポイントです。

 全部並べてバランスを確認しておきます。


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