球体関節人形の作り方
 08・胴体を作る


胴体を作ります。

 胴体は色んな方向から見て、ヤスリで削って歪みを直しておきます。

 製図に合わせて体の中心線を描いておきます。
 骨や筋肉の位置も左右対称になるように描いておきます。

 側面に肋骨の目印を描いておきます。
 骨盤も描いておきます。

 背中側も同じように中心線を引いて目印を描いておきます。

 まず、鎖骨部分を彫刻刀で削って形を出します。
 削ったら、少し粘土を足して形を整えます。

 胸、肋骨に粘土を置いていきます。

 肋骨を作る時は、写真のように斜めに棒状の粘土を置いて…

 押し潰して均します。

 腹筋も作ります。

 みぞおちに向かって凹んでいく感じで…

 骨盤の出っ張っている部分を作ります。
 左側はまだ何もしていないので目印が残っていますが、
 この三角形の部分に粘土を盛っています。

 片側が大体できました。

 左右対称になるよう、もう片方も作ります。
 先に作った側を潰してしまいそうだったら乾かしてから作ります。
 片側を作る時は、常に左右対称になっているか、鏡に写して確認しながら作業します。

 前面が乾いてから背面を作ります。

 お尻は彫刻刀で彫って、お尻の線の上も逆三角形になるように彫っておきます。

 背中の真ん中のラインは凹んでいます。
 丸平刀で真っ直ぐに彫っておきます。

 お尻の形を作っていきます。

 お尻の上は極端に凹んでいるわけではないので、粘土を詰めて均しておきます。
 (裸の人の写真を参考にしてください)

 肩甲骨も作ります。
 ↓こんな形に粘土を盛ります。
 ][

 前面背面ができたらいったん乾かして、スポンジヤスリの荒目をかけます。
 ヤスリをかけた後は粉を掃除機で吸って、凸凹になっている部分を直します。
 乾かしてヤスリがけして直して…を繰り返して理想の形にしていきます。

 とりあえず胴体ができました。
 クリックでコントラスト強くした画像が表示されます。

 ポイントとしては、
 ・胸郭は意外と前に出ている(ふんぞり返るような…)
 ・腹筋の凹みは胸部まで及ばない(胸骨があるので凹みは無い)
 ・首の筋は、首の真横まで伸びている(真っ直ぐ上に向かう訳ではない)
 ・首はただの筒じゃなくてそれなりに凹凸がある(筋に沿って削ると良い)
 ・肋骨の下の方はなだらかに脇腹と繋げれば、違和感があまりなくて良い
 ・骨盤の形を意識する
 ・鎖骨は直立の人間の写真を参考に作ると良い(露出が多いので丁寧に作ること)

 背中。

 斜めから。

 体を作る時は何か資料があった方が良いです。
 人形作家さんの作る胴体が好きだったらそれを見て作るのも良いのですが、
 そういうものは色んな角度から見た画像が少ないので資料として不足があります。
 また、作家さんの胴体は作家さんの解釈が入った「嘘」が多い場合もあるので、
 安易に真似るのは良くないです。(私のが特にそうですが…)

 物凄く造形力があって独自に大幅なディフォルメをされている作家さんの人形は
 とても美しいですが、それを素人が真似すると上手く出来ないものです。
 その美しさは芯の造形の上手さから来ているので、表面だけ真似しても再現できないのです。

 ですから初めての人は、なるべく生身の人間の資料を用意すると良いです。
 筋肉図だけではあまり良い造形が出来ないと思います。
 (筋肉を意識し過ぎて怖い胴体になってしまう)

 今回使ったもの。
 彫刻刀各種とヤスリスポンジヤスリの荒目ラドールです。

 そろそろ粘土の屑がいっぱい出てくると思うのですが、
 捨てずにビニール袋に集めておきましょう。
 水を入れておけばふやけて粘土に戻ります。是非再利用しましょう。
 また、彫刻刀で削る作業の時も防塵マスクをすることをお勧めします。


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