球体関節人形の作り方
 03・芯に粘土を盛る&大まかな造形



次は芯に粘土を付ける作業です。
芯に均等な厚さの粘土を巻き付けて、最低限の厚みを確保します。

 今回は粘土にラドールを使います。
 ユザワヤには必ず売っています。
 縮みも少なくとても使いやすい粘土です。
 初心者から上級者まで使えます。
 定価は472円みたいですが、ユザワヤ会員割引とかまとめ買いとかで安くなったりします。
 大体350円くらいで売ってるとこが多いみたいです。ユザワヤ割引で300円ちょっとかな?
 木の粘土は初心者にはお薦めできません。確かに上手な方は木の粘土を使っているのですが、
 収縮率のことや、彫刻刀で削る時ラドールより大変であるということを考えると、
 造形に慣れてから木の粘土に挑戦した方が良いと思います。

 まず、作った芯にラップを巻き付けていきます。
 ラップを巻くことで、後で芯が抜きやすくなります。
 写真は業務用の細長いラップです。広げて足の芯を乗せたところ。
 ここは普通のラップでも勿論構いません。

 足の芯に巻き付けます。
 写真はちょっと分かりづらいですね…

 ラップが一周しなかった場合、隙間はセロハンテープで埋めておきます。

 ブカブカしている所はねじって密着させます。
 セロハンテープを貼って芯にピッタリくっつけていきます。
 腕の芯にも同じようにラップを巻きます。

 胴体には大きいラップを使います。
 胴体にラップを被せたところ。

 後ろでセロハンテープで止めます。
 凹みの深い部分はカッターで切れ目を入れて、
 凹みの長さ分だけラップをはがします。
 それから凹みに沿って片方ずつ折り込むようにセロハンテープで貼り直します。
 そうすると、作りこんだ芯の形がしっかり生かせます。

 写真は、切り込みを入れたラップを抓んで持ち上げている所です。

 そうしたら、コンロで軽くあぶります。
 かなり離してやらないと溶けるので、様子を見ながら気を付けてやって下さい。
 こうする事でラップが胴体の形状にぴったりくっつきます。
 他のパーツも同じようにして軽くあぶります。

 このようにぴったりラップを貼り付ける事が出来ました。

 全部揃ったところ。
 細いパーツはラップを巻いたことで造形に影響が出てしまうことがあるので、
 巻かないでも結構です。

 次に、使う粘土の準備をします。

 ラドールは袋から出し、使う前によくこねます。
 粘土は使う前によくこねておくと、乾いた時に丈夫になりますし、造形しやすいです。
 練らないで使うとボソボソした感じで結合も密にならず、壊れやすくなります。
 粘土が硬くなっている時は、水を少し加えてこねます。買いたての粘土は柔らかいですが、
 半年も放っておくと開封していなくても硬くなります。

 手の小さい人は、ラドール一袋を半分に割り、それをまた半分にしてこねると丁度良いです。
 力に自信のある人は1袋一気にこねても良いのですが、疲れます…

 これはラドール2袋分。
 私は1〜2袋一気にこねて、ビニール袋を二重にして保管しておきます。
 作業中、手元にはラドール半量分が入った小袋を置いておきます。
 手元に沢山入った袋を置いておくと、作業中の開け閉めが多いために、
 袋に入っていても外側から乾いていってしまいます。
 大袋と手元に置いておく小袋は別にしておくと良いと思います。

 粘土を平たく延ばす為に、粘土のし棒を用意します。
 サランラップの芯に荷造り用の透明粘着テープを巻き付けて、
 のし棒を作りました。

 ラドールを適量延ばします。
 割り箸を両脇に置いて、それをガイドにして延ばすと簡単に均一な厚さになります。

 表面に水を塗布します。

 芯に巻き付けていきます。
 足りない所も同じ厚さの粘土で補いながら全部を覆います。
 凹みの部分がこの時点で出るようにしておきます。

 全部覆ったところ。
 芯で結構作り込んでいるので、粘土を被せただけでそれなりに形が出ます。

 製図に合わせておへその位置を凹ませておきます。

 この時、ちゃんと中央におへそがあるか、鏡に映して確認しておきます。
 胴体に被せた粘土も左右対称になっているか確認します。

 製図に合わせて余分な部分を切り取ります。

 切り取りました。写真は股関節になる部分です。
 肩関節も同様に、製図に合わせて粘土を切り取っておきます。

 胴体は大まかに造形しておきます。


 肩甲骨やお尻はここでなんとなく作っておいて良いです。
 ここでも左右対称になっているか鏡に映して確認しておくと、後が楽です。

 この後、肩に竹串を刺しておきます。
 乾かす時にぶら下げる所になります。

 次に腕に巻き付ける粘土を作ります。
 棒状の粘土を作り、のし棒で細長く延ばします。

 腕の芯に斜めに巻き付けていきます。
 斜めに巻き付けると、腕の形にうまく対応して綺麗に巻く事ができます。

 指で繋ぎ目を均しながら巻き付けていきます。
 これは一見難しく見えますが、やってみれば意外と簡単にできます。
 無理そうだったら平たく延ばした粘土を巻いても良いのですが、
 ブカブカして作りにくくなるのでかえって大変かもしれません。

 太さが製図に合っているか確認します。
 肘関節の線をヘラで引いておきます。

 足にも同じように巻き付けていきます。

 足首の方になると粘土がいっぱい余ってきますので、こまめにハサミで切りながら
 巻き付けていきます。切った後も綺麗にならしていきます。

 製図に合わせてみて、正面と側面が予定の太さになっているか確認します。
 太すぎなければ、そのままで結構です。
 少し細いものを、今の段階で無理に継ぎ足して太くしなくても大丈夫です。
 膝関節の位置と、中心線を引いておきます。
 写真では膝の部分に+のように見えています。

 慣れている方は、ここで細かく造形して構いません。

 頭部の芯も包みます。

 余った粘土はハサミで切って調整します。

 頭の芯を覆ったら、ヘラで顔面の中心線を引いておきます。

 鏡に映して正確に中心に引けているか確認します。

 足の芯も包みます。

 製図の足の大きさと合っているか確認します。
 土踏まずも作っておきます。

 全部揃ったところ。


 胴体は、肩に通した竹串を使ってハンガーにぶら下げて乾かします。
 2〜3日も放っておけば乾くでしょう。
 もしこれと同じように乾かす場合は、洗濯ばさみで竹串を挟むのは危険です。
 洗濯ばさみの輪の中に通します。(写真でも見えていますが分かりにくいですね…)
 挟んでしまうと、洗濯ばさみの力では粘土の重さに耐えきれないので、
 せっかく作った胴体が落下して壊れてしまいます。

 他のパーツには竹串を刺して、発泡スチロールに立てて乾かします。
 足首に刺してある竹串は粘土が乾いたら抜いて良いです。

 置いて乾かすと歪みの原因になるので、
 ぶら下げるか立てるかして乾かすと良いと思います。

 今回使ったもの。
 普通のラップ、業務用の細長いラップ、
 のし棒、水入れ、はさみ、竹串、割り箸、
 小さいはさみ、金属製粘土ベラ、鏡です。
 下に写っているのはラドール

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